ソーシャルビジネスとCSRの違いについて考える
ソーシャルビジネスって何だろうか?
よく聞かれることがあるが、上手く説明できなかったりする。
もともと定義が曖昧だから難しいのだが、ちゃんと自分の中で明確にしておく必要がありそうだ。
まず、普通のビジネスとソーシャルビジネスについて
この二つの違いは明確である。
普通のビジネスは、客のニーズや課題を解決するために行われるものである。
それに対して、ソーシャルビジネスは社会問題を解決するものである。
次にNGOとソーシャルビジネスについて
どちらも社会問題を解決するという点では同じである。
しかし、NGOは国からの助成金、寄付などのファンドを得て活動している。助成金などを得るため事業の立ち上げは比較的容易であるが、継続させることが難しい。
一方、ソーシャルビジネスは自らの事業の中でお金を回さなくてはならない。軌道に乗れば持続させることが出来るが、それまでが大変である。
また、前者は支援を目的としているが、後者は同じ土俵で働くことを目的としている。
ソーシャルビジネスと一般企業のCSRの違いについて
どちらも、企業が社会的に良い行いをするという点では同じである。
しかし、CSRは一企業としての社会的責任を果たすために行われることで、実際の事業とは関係を持たないことが多い。CSRから利益をえるのではなく、その活動を通して企業のイメージを作ったり、投資家や篤志家の評価を得るために行われている。
一方、ソーシャルビジネスは社会問題解決から利益を生み出している。また、それがメインの事業である。
最後にソーシャルビジネスと社会的な企業のCSRの違いについて
ここで言う社会的な企業というのは、上記のようにCSRを利用して、会社に利益を得ようとする企業ではなく、環境や人権に関した責任を真摯に果たそうとしている企業の事を述べている。例としてpatagoniaを上げたいと思う。
patagoniaは、社会的に責任を果たしている企業として有名であり、ソーシャルビジネスと言われることがある。しかし、私はそれをソーシャルビジネスではなく、CSRとして位置付ける。
それは、事業の目的が何かで決まると私は思う。
patagoniaは、アウトドア用品のメーカーである。より人々にアウトドアを楽しんでもらうために事業を行っている。そして、アウトドアメーカーとして、アウトドアを楽しむ環境を壊していけないという思いから、トレーサビリティの取れたオーガニックコットンを使ったり、フェアトレードに力を入れている。
言わば、ソーシャルな部分が後発的である。
一方ソーシャルビジネスは、例えば環境問題を解決するために、事業を行うのである。
先発か後発か、これがソーシャルビジネスとCSRを分けるものではないだろうか。